こんにちは!あかり母ちゃんです。
先日、私のお米をいつも買ってくださっているお客様より、こんなご質問をいただきました。
「玄米は浸水して発芽させることで植物毒のアブシジン酸の働きを防ぐことができると言われていますが、分付き米の場合もこのアブシジン酸の働きはあるのでしょうか??」
なるほど。ネットで調べるとアブシジン酸が人体に有害、みたいな記事がいっぱい出てきます。その辺をちょっと私なりに調べてみましたので、今回まとめてみようと思います。
アブシシン酸は植物にほぼ例外なく含んでいる植物ホルモン
私たち、実はこのアブシシン酸、日常的に摂取しています。
アブシシン酸(ABA)は穀類に多く含まれる植物ホルモンの1種です。そのほとんどが表皮・胚芽に存在するそうです。よって、玄米の状態(表皮が一番厚い状態)が一番多く含まれ、分づき米の状態(表皮を薄くすると)で、表皮が薄くなればなるほど、アブシシン酸は減ります。
アブシシン酸の主な働きは、水が少ない状況(水ストレス)で体内の水が蒸散しないように気孔を閉じる。種子の成熟と休眠(芽も含む)の誘導などです。
この働きにより、植物の水分含有量が少なくなると、根でアブシシン酸が合成され、葉に移動して気孔を閉じるように作用します。その時にアブシシン酸が活性酸素を生成するように作用し、活性酸素が合図となって気孔を閉じる作用を促進するようです。よって、アブシシ
ン酸が気孔を閉じるのに直接、作用しているわけではないのです。
この活性酸素が老化や生活習慣病の原因となるもの言われていることにより、アブシジン酸によって活性酸素の発生が促されるという点が「アブシジン酸は人体に毒」説が流れたものだと推測されます。
植物におけるアブシシン酸は水分のバランスを整える、細胞を保護するという大切な役割があります。しかし、アブシシン酸が人体に対して有害であるとの根拠はなく、むしろ抗炎症作用で動脈硬化や糖尿病の予防・改善に有用である可能性があるようです。
(出典:ScienceDaily)
また、アブシシン酸は水溶性で水に溶け排出されるため、毎日の食事で体に溜まることは考えにくいです。というか、アブシジン酸って、植物の中でどう作用するかは論文なんかもあったのですが、人体の中でも活性酸素って出すんでしょうか?
私は研究者ではないので、アブシジン酸が本当に人体に有害なのか否かは分かりません。かなり探しましたが、2020年3月現在、アブシジン酸が人体にどう作用するのか、人体の中でも植物内と等しく活性酸素の発生を促し得るのか、人体のミトコンドリアに対して攻撃をするという実証データはあるのか、私には見つけられませんでした。
米農家の立場としては…
日本人が弥生時代の稲作の伝来以降、数千年もの間お米を食べ続けている
明治以降精米技術が飛躍的に進化するまで、精米をちゃんとできなかった日本人は玄米(分づき米)を食べ続けていた(はず) ※この辺の歴史の話は長くなりそうなのでまた別の機会に記事にしてみたいと思います。
確かに、「今、『人体に対して有害である』という学術的根拠が乏しい」のは、即ち「アブシシン酸は人体に無害だ」とは言えません。
それでも、私はそれが重視すべきところとも思えません。
長々と書きましたが、私としては、「毒・・・?え???」という結論に至りました。
「無毒化」以前に「毒なの?そもそも??」という疑問は解決できておりません。
どなたか、人体とアブシシン酸についての研究してくださることを願っています。
アブシシン酸がどうしても怖い方へ
・精米した段階で、お米に含まれるアブシジン酸はほぼなくなります。白米を食べましょう。
・玄米食の方は、乾煎りしてみてください。玄米を水で洗った後、軽く水気を切って乾煎りします。アブシジン酸は200℃以上でその働きをなくすそうですので、アブシシン酸が人体に何らかの働きかけをすることを予防する効果は期待できます。
日本人にとって、おいしいお米を食べるって重要かなあと私は思っています。
コロナ騒動でデマが流れて、スーパーからお米が消えたというニュースを聞きながら、「やっぱりおいしさって意味でも、保存食って意味でも、お米って日本の食卓には欠かせないじゃん?」という気持ちを新たにしているあかり母ちゃんでした。
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